カテゴリー:経営
新規事業の立ち上げやプロジェクトの計画をする際に欠かせないのが、企画書の作成です。
しかし、企画書を作成するにあたってはどのような情報を含めればよいのか、またどのようなチェックポイントに留意すれば完成度の高いものに仕上がるのか、悩んでしまう方も多いかと思います。
そこで今回のブログでは、企画書作成に必要な情報やチェックポイントについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、効果的な企画書の作成に役立ててみてください。
Contents
企画書と提案書は、どちらもビジネスやプロジェクトに関する文書ではありますが、意図や目的が異なります。
企画書とは、ある事業やプロジェクトの全体像や詳細な計画をまとめたもので、内部的には経営戦略の策定や事業計画の立案、外部的には調達・提案・契約の際の交渉の根拠となる重要な文書です。
企画書には、事業の概要、市場調査結果、目標、プラン、財務計画、リスクマネジメント、スケジュール、役割分担などの情報が含まれます。
一方、提案書とは、ある課題に対して、どのような解決策を提供するかを示した文書で、顧客やクライアントへの提案の際に使用されます。提案書には、課題の背景や原因、提供する解決策、導入の効果、費用・コストなどが含まれます。
企画書と提案書の違いを簡単にまとめると、企画書は自社内部での計画をまとめる文書であり、提案書はクライアントへ提案するための文書であるということが挙げられます。
また、企画書はあくまでも計画段階であるため、提案された内容が実現されるかどうかは未知数である場合がありますが、提案書はクライアントが承認した場合には実現されることが前提となります。
企画書を作成する際に、情報を整理するために役立つフレームワークには、以下のようなものがあります。
以下のようなフレームワークを上手に用いることで、企画書の質を高めることができます。
企画の実現可能性を分析するために、自社や競合他社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を洗い出し、問題点や課題を明確にします。
企画の内容や目的を明確にするために、What(何を)、Why(なぜ)、Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どうやって)、How much(いくらかかるか)について整理します。
企画の実行・改善をスムーズに進めるために、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのプロセスに分け、PDCAサイクルとして整理します。
企画の立案やマーケティング戦略の考え方として有名なフレームワークで、市場における競合環境を、低コスト戦略、差別化戦略、集中戦略の3つの戦略に分け、自社の競争優位性を追求します。
ビジネスモデルの設計や評価を行うためのフレームワークで、ビジネスの9つの要素(顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客関係、収益の流れ、キーリソース、キーアクティビティ、パートナーシップ、コスト構造)を整理し、ビジネスモデルの全体像を把握します。
企画書を作成する際には、以下のような留意点があります。
企画書を作成する前に、何を達成したいのか明確にしましょう。そのために、目的を具体的に設定し、それを達成するために必要な行動や戦略を検討していきます。
企画書を作成する際には、誰がその対象となるのかを明確にしましょう。そのために、対象者の属性やニーズ、要望、課題などを分析し、その情報を元に戦略を考えます。
企画書を作成する際には、内容を明確にしましょう。そのために、簡潔で分かりやすい文章、図表、グラフ、インフォグラフィックなどを使用し、必要な情報を的確に伝えます。
企画書を作成する際には、提案した内容が実現可能かどうかを検討しましょう。そのために、現実的な見積もりやリソースの調査、マーケット調査などを行い、必要なデータを収集します。
企画書を作成する際には、同じテーマで提出された他の企画書と比較検討することが重要です。そのために、他の企画書との違いや優位性、差別化ポイントを明確にし、競合優位性を追求します。
企画書を作成する際には、経営者目線の視点を持つことが大切です。そのために、企画書には投資対効果やリターン・オン・インベストメント(ROI)などの数値データを明確に示し、経営者が投資判断しやすい形式でまとめます。
企画書の構成や書き方に決まりはありませんが、下記のような内容を順に沿って書くことで正確で明瞭な企画書を作ることができ、プロジェクトの成功に大きく貢献してくれます。
タイトルページには、プロジェクト名、提出者名、提出日などを記載します。
プロジェクトの目的を明確にすることが大切です。目的を達成するために必要なリソースや手順もここで記載します。
プロジェクトの概要を簡潔に述べます。ここでは、何をするプロジェクトなのか、誰が対象なのか、どのような期間で行われるのかなどを示します。
プロジェクトをどのように実行するかを説明します。ここでは、必要なリソースや手順などを示します。
プロジェクトのスケジュールを作成します。ここでは、各タスクの期間や進捗状況などを示します。
プロジェクトに携わるメンバーの詳細なプロフィールと役割を記載します。
プロジェクトにかかる費用を見積もります。ここでは、人件費や資材費などを明確にすることが大切です。
プロジェクトから得られる収益を予想します。ここでは、顧客数や売上高などを示します。
プロジェクトに対する結論を述べます。ここでは、プロジェクトのメリットやデメリット、今後の課題などを示します。また、プロジェクトの成功に向けたアクションプランなどもここで明示することが望ましいです。
企画書の完成度を測るためには、以下のようなチェックポイントを確認することが有効です。
目的と目標が明確に示されているか
事業概要、ビジネスモデル、市場調査結果、競合分析などの情報が含まれているか
事業の戦略や計画が詳細かつ具体的に示されているか
財務計画や予算の説明が明確で、実現可能性が高いか
リスク分析やリスクマネジメントのプランが明確に示されているか
スケジュール、作業プラン、役割分担などのプロジェクト管理に関する情報が含まれているか
企画書の構成が明瞭で、読みやすく、視覚的にわかりやすいデザインになっているか
提供する商品やサービスが、市場や顧客のニーズに合致しているか
活用する技術やシステムの説明が十分であり、必要なリソースが確保されているか
企画書の文法・語彙など、文章表現が正確かつ適切であるか
これらのチェックポイントを確認することで、企画書の完成度や質を測ることができます。ただし、企画書によっては、特に業界によっては、必要な情報が異なる場合があるため、状況に応じてカスタマイズする必要があります。
企画書とは、ある事業やプロジェクトの全体像や詳細な計画をまとめたもの
企画書と提案書の違いを簡単にまとめると、企画書は自社内部での計画をまとめる文書であり、提案書はクライアントへ提案するための文書
企画書作成の際、情報を整理するのに役立つフレームワークは、SWOT分析、5W1H分析、PDCAサイクル、Porterの競争戦略、Business Model Canvas
企画書を作成する上での留意点は、目的の明確化、対象者の明確化、内容の明瞭化、実現可能性の検討、他の企画書との比較検討、経営者目線の視点
企画書の基本的構成
タイトルページ⇨目的⇨概要⇨アプローチ⇨スケジュール⇨チーム構成⇨費用見積もり⇨収益予想⇨結論⇨参考文献
ワンストップで様々なツールの作成が可能です