デザイン経営とは?その効果・導入方法

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「デザイン経営」という言葉を聞いたことがあるし、「経営にデザインが必要だ」とも考えている、しかし、デザインを経営にどう活用していいかわからない、そのような状況はありませんか?

そこで今回の記事では、そもそもデザイン経営とは何か、そしてデザイン経営を実践するための導入方法について案内しており、「デザイン経営の民主化」に少しくらいは役に立てるのではないかと考えています。

現状、デザインの重要性を理解していても、デザインを上手に活用している企業はそれほど多くはありません。

今回の記事を読んで頂くことで、経営にデザインを取り入れ、競争力を向上させることができるようになります。

 

 

デザイン経営とは?

デザイン経営とは、デザインを企業の経営戦略の一部として考え、「ブランド力の向上」や「イノベーション力の向上」に活用し、企業価値を向上させようとする経営です。

これは、製品のデザインだけでなく、ブランドやサービス、或いは経営をデザイナーの思考様式で取り組むことを指します。

つまり、単に見た目をキレイに整えるだけでなく、人間を中心にした考え方でユーザーのニーズをしっかり捉え、経営に取り組むことを言います。

デザイン経営は、顧客ニーズを満たすだけでなく、競争上の優位性を確立し、企業の成長を促進することができるため、昨今ビジネスにおいて重視されています。

 

 

デザイン経営が求められる理由

第4次産業革命により、あらゆる産業が新技術の荒波を受け、従来の常識や経験が通用しない大変革を迎えようとしています。

このような環境の中、生き残るには顧客に真に必要とされる存在に生まれ変わらなければなりません。

そこで、規模の大小を問わず、世界の有力企業が戦略の中心に据えているのがデザインであり、デザインを重視する会社は、実際に国際社会で高い競争力を発揮しています。

なぜなら、デザインにより、ブランド価値が⽣まれ、イノベーションを実現させるからです。

今やデザインは、顧客と⻑期に渡って良好な関係を維持するための「ブランド⼒の創出⼿法 」、顧客視点を取り込んだ「イノベーションの創出⼿法」として活⽤されるようになっています。デザインは、まさに産業競争力に直結するものとなっています。

しかし、日本では経営者がデザインを有効な経営手段と認識しておらず、グローバル競争環境での弱みとなっています。 日本は人口・労働力の減少を迎え、世界のメイン市場からその存在感を失い始めているにも関わらずです。

そこで経済産業省・特許庁は、2018年5月に「デザイン経営宣言」を取りまとめることとなりました。

 

 

デザイン経営の効果

「デザイン経営」に取り組む前に気になるのはその効果だと思いますが、各国の調査ではそのリターンは投資に見合うことを⽰しています。

例えば、British Design Councilは、デザインに投資すると、その4倍の利益を得られると発表していますし、Design Value Indexは、S&P500 全体と⽐較して過去10年間で2.1倍成⻑したことを明らかにしています。

その他の調査を⾒ても、「デザイン経営」を⾏う会社は⾼い競争⼒を保っていることがわかっており、これがデザインを取り巻く世界の常識となっています。

 

 

デザイン経営の取り組み方

「デザイン経営」と呼ぶための必要条件は、以下の2点です。


① 経営チームにデザイン責任者がいること

② 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

この場合のデザイン責任者とは、製品・サービス・事業が顧客起点で考えられているかどうか、⼜はブランド形成に資するものであるかどうかを判断し、 必要な業務プロセスの変更を具体的に構想するスキルを持つ者をいいます。

 

また、経済産業省・特許庁が、2018年5月に定めた「デザイン経営宣言」では、実践のための7つの取り組みを下記の通り示しています。


① デザイン責任者(CDO,CCO,CXO等)の経営チームへの参画
デザインを企業戦略の中核に関連付け、デザインについて経営メンバーと密なコミュケーションを取る。

② 事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画
デザイナーが最上流から計画に参加する。

③ 「デザイン経営」の推進組織の設置
組織図の重要な位置にデザイン部⾨を位置付け、社内横断でデザインを実施 する。

④ デザイン⼿法による顧客の潜在ニーズの発⾒
観察⼿法の導⼊により、顧客の潜在ニーズを発⾒する。

⑤ アジャイル型開発プロセスの実施
観察・仮説構築・試作・再仮説構築の反復により、質とスピードの両取りを ⾏う。

⑥ 採⽤および⼈材の育成
デザイン⼈材の採⽤を強化する。また、ビジネス⼈材やテクノロジー⼈材に 対するデザイン⼿法の教育を⾏うことで、デザインマインドを向上させる。

⑦ デザインの結果指標・プロセス指標の設計を⼯夫
指標作成の難しいデザインについても、観察可能で⻑期的な企業価値を向上 させるための指標策定を試みる。

 

 

デザイン経営導入にあたって参考になる資料

産業競争力とデザインを考える研究会報告書『「デザイン経営」宣言』open_in_new

デザインにぴんとこないビジネスパーソンのための“デザイン経営”ハンドブック open_in_new

「デザイン経営」の課題と解決事例 open_in_new

中小企業のためのデザイン経営ハンドブック open_in_new

 

 

まとめ

デザイン経営とは、デザインを企業の経営戦略の一部として考え、「ブランド力の向上」や「イノベーション力の向上」に活用し、企業価値を向上させようとする経営。

規模の大小を問わず、世界の有力企業が戦略の中心に据えているのがデザインであり、デザインを重視する会社は、実際に国際社会で高い競争力を発揮している。

今やデザインは、顧客と⻑期に渡って良好な関係を維持するための「ブランド⼒の創出⼿法 」、顧客視点を取り込んだ「イノベーションの創出⼿法」として活⽤されており、産業競争力に直結する。

調査を⾒ても、「デザイン経営」を⾏う会社は⾼い競争⼒を保っている

「デザイン経営」と呼ぶための必要条件は、以下の2点。
① 経営チームにデザイン責任者がいること
② 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

 

 

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