グーグルの親会社Alphabetの純利益が206億4000万ドル・・・
ソフトバンクの営業利益が1兆円超え・・・
日々様々な経済ニュースが流されていますが、これらニュースの理解に必要な知識は会計です。
しかし、会計は「必要なことはわかっているけれど、とっつきにくい」「なかなか勉強する気になれない」そう思われがちです。
そこで今回は会計初心者の方に向けて財務三表とは何か、そして財務三表の読み解き方をご案内したいと思います。
財務諸表を自分で読み解けるようになれば、経済ニュースをより理解できるようになりますし、自分で会社を経営している方は自分の会社の健康診断が自分でできるようになります。
特に今後起業したいとお考えの方は必読です。
財務三表とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書のことを言い、これらを読み解くことでその会社の経営状況を把握できるようになります。
初めて見る方にとっては数字ばかりのかなりとっつきにくい代物に映るかも知れませんが、その構造を理解することで、そんな毛嫌いする難解なものでないことに気づいて頂けると思います。
損益計算書は「売上ー費用=利益」を詳しく書いたもので、1年間でどれくらい儲かったのか、その経営成績を示すものです。利益を増やそうとすれば売上を増やすか費用を減らすかしかないわけです。
では、どのように損益計算書を読み解けばいいかということですが、まずは売上と当期純利益を確認すればいいと思います。
売上は企業が利益を生み出すもととなる非常に大事な数値ですし、当期純利益は最終的に企業活動でどれくらいの利益が出たかを表す数値です。
売上と当期純利益を押さえておくとざっくりとした会社の経営成績が把握できます。
ちなみに、損益計算書には売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5つの利益があります。営業利益、経常利益あたりは経済ニュースでも頻繁に登場しますのでそれぞれの利益が持つ意味合いも理解されるとよりいいと思います。
貸借対照表は会計期間末の時点におけるその会社の財政状態を示すもので、もう少し平たく言うなら、会計期間末の時点でその会社がどのような財産や借金があるか示すものです。
貸借対照表は左右に分けることができるのですが、右側はどこからお金を集めてきたか、その調達源泉を示し、左側はその集めてきたお金をどう運用しているのかその運用形態を示すものです。
左側のお金の運用形態を示す区分は資産と呼ばれ、右側のお金の調達源泉を示す区分は負債と純資産と呼ばれます。
右側のお金の調達方法は二つあります。
返さないといけないお金の調達方法と返さなくてもいいお金の調達方法です。
返さないといけないお金の調達方法は借金に代表され負債と呼ばれます。貸借対照表上、右上に表示されます。
一方、返さなくてもいいお金の調達方法は出資や自分で稼ぎ出した利益で純資産と呼ばれます。貸借対照表上、右下に表示されます。 ただ、出資によるお金の調達は会社の部分的譲渡を意味しますので、出資の割合により自分が主導権を持つことができなくなります。
また、資産は主に1年以内に現金化できるか否かを基準にそれぞれ流動資産と固定資産に分けることができ、負債は主に1年以内に返さないといけないか否かを基準に流動負債と固定負債に分けることができます。
では、どう貸借対照表を読み解くかですが、まずは資産の部、負債の部、純資産の部それぞれの合計額を確認すればいいと思います。
それぞれの合計額で事業規模がわかることはもちろんのこと、運用しているお金の合計額、返さないといけないお金の合計額、返さなくてもいいお金の合計額などがわかります。
これらを押さえておくことでざっくりとした会社の財政状況が把握できます。
キャッシュ・フロー計算書は会社の期首日から期末日までの1年間のお金の流れを計算した書類で、お金が増えたか、減ったかに着目します。
なぜなら会計上、売上の発生とお金の増加、費用の発生とお金の減少は必ずしも一致しないからです。
例えば、クレジット売上があった場合、売上の計上はレジを通したタイミングですが、入金は1ヶ月後になり、売上の計上と入金のタイミングが異なります。
このようなズレが大きくなり資金繰りがうまく行かなくなったとき、最悪の場合、黒字倒産も起こってしまうことから、現金の流れと残高に着目したキャッシュ・フロー計算書が作成されます。
キャッシュ・フロー計算書は「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」の三つの区分から構成され、それぞれがプラスかマイナスかによって会社の状況が見えてきます。
では、どうキャッシュ・フロー計算書を読み解くかということですが、「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」それぞれの値がプラスかマイナスかを確認すればいいと思います。
それぞれ財務諸表を理解するためのポイントをご案内させて頂きましたが、全ての財務諸表に共通する読み取るためのコツがあります。
それは比較することです。比較対象は直前3年、直前3ヶ月、或いは同業他社などです。
同じ売上1億円でも前年の売上が5千万円の会社と2億円の会社では意味合いが全然違います。また同じ売上1億円でも他社の売上が10億円だった場合、伸び代や業界シェアなどが見えてきます。
慣れてくると財務諸表を読み解くために自己資本比率、流動比率など色んな経営指標を使うこともあるかも知れませんが、経営指標から意味を読み取るコツも同様です。比較することです。 その数値自体から意味が読み取れる指標もありますが、比較することでより状況が見えてきます。
損益計算書は1年間でどれくらい儲かったのか、その経営成績を示すもの
貸借対照表は会計期間末の時点でその会社がどのような財産や借金があるか示すもの
キャッシュ・フロー計算書は会社の期首日から期末日までの1年間のお金の流れを示すもの
財務諸表を読み解くコツは比較すること
ワンストップで様々なツールの作成が可能です